会長ご挨拶

島ノ江千里

第9回日本臨床薬理学会九州・沖縄地方会 会長
佐賀大学医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長







 この度、第9回日本臨床薬理学会九州・沖縄地方会の会長を拝命し、2025(令和7)年7月26日(土)、佐賀大学医学部(佐賀県佐賀市)にて開催する運びとなりました。

 本会のテーマは「薬学が創る未来社会」といたしました。この「薬学」は、最適な薬物療法の探求と新しい薬の発見と製造による創薬を含めています。病気に苦しむ患者さんたちの社会要請に応えるためには、ダイバーシティな臨床薬理分野の会員が「薬学と社会」の懸け橋となって、科学的根拠の構築および研究成果の社会実装を目指し、集団と個人の健康課題の克服に取り組んでいくことが求められています。

近年、人口減少と経済停滞が続く日本では、研究を支える人材、資金、設備などの拡充が困難になっていますが、デジタルトランスフォーメーションや健康社会に向けて電子化された大規模データが集積され、それらを活用した効率よい信頼性の高い創薬に取り組む動きも出てきています。したがって、本会のサブテーマとしては、「創薬・育薬プロセスの進化」を掲げ、データサイエンスやデジタル技術などの異分野と臨床薬理が融合することで「未来の薬物療法をどう変えていくのか」ということを皆様と考えられるプログラムを準備しております。

 本会では、社会に新しい薬物治療を届けようとしている研究者、研究支援者、医師、薬剤師、看護師などの臨床家、開発者、関連分野の教員等、すべての方の熱い想いを共有し、様々な職種が創薬研究や臨床薬理研究の転換期への期待についてともに議論し、薬物療法がより社会に貢献するための研究・臨床活動を継続していく力を得る機会としたく存じます。

佐賀大学医学部附属病院は、よりよい医療を提供できる施設へと令和6年6月に再整備が終了いたしました。この機会に、鍋島焼の吉祥文様をあしらった大変綺麗な当院の夜景も実りある意見交換の機会とともに、ご参加のみなさまに楽しんでいただければと思います。ポスターは唐津の七ツ釜を用いて、昨今の異常な夏の暑さに対して少しでも暑気払いとなるデザインといたしました。暑い時期ではありますが、ダイバーシティな皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。